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2006年07月24日

●シルクは芸術作品ぽくなりすぎているか? LVRJから

Las Vegas Review-Journalから

 

 もし私が、あなたに「ラスベガスのカジノは、極上の芸術文化における芸術まがいトレンドに数百万ドルを提供している」 と言ったら、私を嘘つきよばわりするだろう。しかし、「このトレンドがシルク・ド・ソレイユという名前の裏に隠れている」と言ったら、 たぶんあなたは見解を変えるだろう。しかし、あなた、あるいは古くからのカジノ・ エンターテイメントに慣れている人達がそれを気に入っているということまでを意味しているわけではない。

 

 これらの考えは、過去2つのシルクドソレイユの作品、「Ka」と「Love」に対する真最中の反応となっている。 2作品はいずれも飾り立てられたサーカスの演技からより野心的な舞台へと変わっていきたいと思っている。

 数百万ドルの投資によって、これらのショーが莫大なヒットになり、何トンものお金を得るであろうと予想されている。しかし、 今までのところ、聴衆の反応は混乱している。構造上の観点からは、 両方のシルク作品が金儲けをするであろうような作品ではないという点では一致している。

 

 実際、多くの人々はクレイブ・ナイトクラブにさえ、それらが存在することを知って驚くに違いない。

 「Fashionistas」(公式サイト BEEさんの感想)は、ポルノで金を稼いだ製作者ジョン・ スタグリアーノの深いポケットに好きでする仕事として資金的にしっかりとおんぶしている。近時それは、 「Shag With a Twist」と一緒になった。「Shag With a Twist」(公式サイト))は全く異なったものだが、 ダンスとパントマイムで物語を伝えたいとする点で一致している。

 

 この混成(ハイブリッド)形態をなんと呼ぶ?

 「非常に難しい。我々は自らの頭の中を探し、多くの協議を行った。」と「Shag」の振付師であるシンシア・ ブラッドレーは言う。「私は"ダンス・ミュージカル"がピッタリすると思うけど、私は知らない。」

 ブラッドレーは、英国のディレクター マシュー・ボーンが、彼が「ダンス・シアター」 と呼ぶもののパイオニアとして、迎えられていることを指摘する。彼の最新のアドベンチャー一座は、映画 「エトワード・シザーハンド」を翻案したダンスミュージカルを演じる (8/16~9/3日本公演のブログ)。彼のウェッブ・サイトでボーンは、ストーリーは 「音楽と身振りだけで語るに十分なシンプルさと万人に共通のもの(ユニバーサル)」でなければならないと言っている。

 

 それはまた、ほとんどのチケット購入者が見たことがあるであろう映画をベースにしている。「Ka」は違う。言葉、歌詞、 ビデオのクローズアップ無しで、オリジナルな寓話を話そうと試みている。「Love」はビートルズの即座の熟知性を持っている。しかし、 記者説明で行ったルーシー(Lucy  in the Sky With Diamonds)が 「富と所有の魅力的ではあるが、反抗的な娘」であるといったようなことを簡単に顧客が理解するということを意味しない。彼女は、 英国人の消防士と会った後新しい高みに飛翔し、お金では買うことができないものを見つけだす。

 この情報はプログラムに記載されたので、たぶんそれを得るためにジャーナリストである必要はなくなった。

 

 あるいは、ビデオのクローズアップはどうか?(「Love」では巨大スクリーンがあるので、簡単にできる)。「Ka」と 「Love」では、座席位置で印象が変わる。初めて「Love」を見たときは、高い位置からだったので、アクロバットが目だった。 2度目はステージ・レベルだったので、キャラクターに関する情報をより多く得られた。

 「Ka」では近くに座ったので、主役の双子のキャラクターを見分けて、彼らの表情を通じて、行動を追うことができた。

 

 シルクだから、その作品を理解するための延長時間(長期公演)を与えてくれるだろう。しかし私は、「エドワード・ シザーズハンズ」を息を殺して待つようなことはしないだろう。

 

 筆者は、シルクをはじめとするショーのトレンドは、ダンスとパントマイムで物語を紡いでいく様式になってきているとしています。 英語が不自由な我々にとっては、ブロードウェイ・ミュージカルよりもこちらの「ダンス・ミュージカル」の方がわかりやすいものでしょう。

 ただ、複雑なストーリーになってしまうと…。「なんだか解らなぁ~い」ってことになりかねませんね(笑)

 シルクは簡単に公演打ち切りしないようですから、「Love」はスタイルがきまってくるまで、しばらく待とうと思っています。