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2007年07月11日

●'07July NYNY銃撃事件まとめ LVRJの記事から

 なんでんかんでん掲示板にもこの事件の一報が入ったときにふれましたが、Las Vegas Review-JournalにNYNY銃撃事件のまとめ的記事が掲載されていたので、紹介しておこうと思います。

Las Vegas Review-Journalの記事から

 

 警察の調書によると、少なくとも5つの装てんされたマガジン(弾倉)そして何ダースかの 薬莢とセミ・オートマチックのハンドガンで武装した、スティーブン・ゼグレアンは、木曜日の夜に発砲する準備を整えて、ニュヨーク・ニューヨークへと入っていった。失業した後、鬱(うつ)状態で自殺志願の51歳の男は、当局と撃ち合って、「警察を利用した自殺」をしようとしていた。しかし、中2階からカジノを見渡した際に、ゼグレアンは計画を一時保留した。そこには子どもが多すぎたのだ。

 ゼグレアンは、カジノのフードコートへと退却し、カジノから子どもいなくなるまで2時間待った。それから中2階へと戻り、銃を取り出し引き金を引いた。

gun 16発の弾丸が階下の群集に降り注ぎ、客達をパニックに陥れた。彼らは、命からがら走り、スロットマシンの後ろに隠れ、ゲーム・テーブルの下に飛び込んだ。

 28歳の海軍予備役であり商船の船員であるデビッド・ジェームズは、金曜日午前0時45分頃、銃が発砲された時、何か食べるものはないかと中2階で探していた。友人の独身パーティのためにベガスを訪れていたジェームズは、発砲者の後ろ10フィート(3m)にいたが、アトラクションの演技かなにかだと思った。

 

 「ベガスは、ワイルドでクレージーだと思っていたから、てっきりベガス・ショーだとばかり思った」とフロリダのジャクソンビル在住のジェイムズは言った。

 

 空の薬莢が床に当たる音を聞き、男が再装填をするのを見た時、ジェームズはそれがショーではないことに気づいた。男が振り返って、MGMへと続くドアの方へと向かうとき、彼は身を守るために避けた。

 

 「彼は、自分が撃ったもの、あるい撃った人については気にしていなかった。彼は、とにかく銃を撃ちたかったんだ。」とジェイムズは言った。

 

 警察の調書によると、ゼグレアンが出口へと向かう際に、床に伏せていた誰かに銃を向け、引き金を引いたが、銃は故障していた。24歳のノースダコタ州兵であるジャスティン・ランパートは、発砲者に突進し、ヘッドロックをして、床にねじ伏せた。「もし、ジャスティンがいなかったら、やつはみんなを撃っていただろう。」とジェームズは言った。

 

 ランパートの助けを呼ぶ声を聞いて、ジェームズは駆け寄り、銃をつかみ、ゼグレアンの頭を蹴った。男がランパートの指を噛んでいるのを放させるために。5フィート7インチ(1メートル80センチ)、160ポンド(72キロ)で自らを「小さな都会っ子」と呼ぶジェームズは、傍にいるより大きな男達に「グリズリー・アダムズ」と評されるゼグレアンを押さえつけるように頼んだ。フロリダ法執行機関で働く兄弟であるボブとポール・ウラは、セキュリティと警察が逮捕するために到着するまで、ゼグレアンをつかまえていたと当局は言った。

調書によると、ゼグレアンは捜査員に対して、失職したことにより2ヶ月間鬱状態であったと陳べた。

 

 ラスベガス警察は、彼が自殺衝動に駆られているということで、7月4日に彼の家に呼ばれたが、ゼグレアンがもう自殺したくないと言ったので、そのまま放置したと調書には書かれている。

 しかし、警察が去った後に、ゼグレアンは武装し、長いクリーム色のコートを着て、MGMグランドへ行くためにタクシーを呼んだ。彼は、午後11時頃に到着し、所持金をすってしまうまで、ニュヨーク・ニューヨーク、エクスカリバー、   ハラクソーを訪れたと調書に記載されている。

  逮捕調書によれば、彼は早朝にラクソーの向かいのガソリン・スタンドでタバコを購入し、夕方になるまで屋外で座って待っていた。警察は、月曜日にゼグレアンは、1日中ではないにしても結構な時間ストリップをうろついていたかもしれないと陳べた。

 

 その日は、ラスベガスの最高気温が街の史上最高記録116度(47.6℃)とタイになった木曜日だった。

 

 警察の調書によると、「ゼグレアンは、警察が彼を止め、彼が銃を取り出した時、殺してもらうために、長いトレンチコート着ていたと言った。しかし、警察はまったく彼を止めなかった」ということだ。

 

 ゼグレアンは、木曜日の午後10時30分頃にニューヨーク・ニューヨークへと戻り、計画を実行するつもりだった。しかし、子ども達の存在が彼の実行を遅らせたと警察は言った。

 調書によると、「ゼグレアンは、トイレへ行きそしてシンクから水を飲んだ」というのも、飲み物を買うお金がまったくなかったからだ。その後、フードコートへ戻り、待った。

 2時間後、何発もの銃弾がカジノを引き裂き、4人が負傷した。ペンシルバニア、ノースハンティングトンのキャリー・ゼルバビカ(23歳)、トニー・サンチェス(13歳)、フェルナンド・マエスタス(7月4日に30歳になったばかり)、アプリル・ジャクソン(25歳)。


全ての負傷は、腕か脚だったと調書に記載されている。

 

 たまたまそこに居合わせた者達がゼグレアンを倒した後に、ラスベガス警察は彼を逮捕し、スプリングフィールド・9ミリ・セミオートマチックXD9・ハンドガンを押収した。

 彼は、今日(7月10日)ラスベガス裁判所に複数の殺人未遂、致死兵器所持などの罪で起訴される。

 

 ジェームズは、彼らを助けた彼やランパートそしてその他の人たちは、ゼルグレアンが発砲を始めるまで、彼を止め、職務質問をしなかったのが奇妙だと思っている言った。「木曜日は本当に暑かった、なのに誰もトレンチコートを着たこの男に本当に気が付かなかったんだろうか?」とジェームスは言った。

MGMミラージの広報担当イベット・ミネットは、ゼルグレアムはなんら不審な行動はしなかったと言った。「まったく不審ではなかった。特別に注意すべき不審な行動や動きは無かった。」と彼女は言った。

 ラスベガス警察のジム・ディロン署長は、ゼグレアンは発砲を始める数分前まで疑わしい行動は何も無かったといった。

 

 American Civil Liberties Union of Nevadaのアレン・リヒテンシュタインは、服装だけでは当局は職務質問をすべき理由にはならないと言った。「真夏にトレンチコートを着ることは、誰かを止まらせるに十分とはいえない。ストリップでは人々は様々な不可思議な衣装を身に着けている。」当局は、誰かに質問するのを正当化するためには、怪しい行動に気づく必要があるであろうと彼は言った。

 

 ペンシルバニア州ブリン・マウアにあるアメリカン・カレッジの危機管理および対応評価における専門家であるラリー・バートンは、カジノはプロファイリングされる人たちを避けるようすべきだという。人種や、服装に関しているかどうかにかかわらず。鍵は、ゼグレアンが発砲する前に、おかしな行動をしたかどうかだ。と彼は言った。

 

 バートンは、ザグレアンが民間人によって取り押さえられるまで、セキュリティー・ガードがまったく関与していないことを指摘した。カジノのセキュリティ・ガードは比較的低賃金であり、最小限の訓練しか受けていない。それは、高い退職率と経験の欠如を引き起こす。「カジノは、セキュリティ・ガードの訓練において、行くべき長い道のりと、登るべき高い山を持っている。」とバートンは言った。「カジノは目覚める必要がある。これはブランド性を傷つけ、客を不安にさせる。」

 

 ジェームズは、月曜日の帰宅まで休暇を続けた。しかし、この出来事は彼をイライラさせ、コンスタントに背後を振りかえるようにさせたと言った。ホテルのスタッフは、避けることができた悲劇を認めることよりも、平常営業に戻すことに関心があるように見えたと彼は言った。
 「警察が必要な全てのことを終えた後、彼らは全ての人たちを退去させ、いつもの日常に戻った。」ジェームズは言った。「MGMは、全体の状況をうまく処理したのかも知れない、少なくとも感謝はしてたよ。」

 MGMミラージの広報担当者は、金曜日に彼らに対して次の旅行時に無料宿泊を提供すると言った。しかし、ジェームズは月曜日にホテルからこのようなオファは全く聞いていないと言った。

 モネット(MGMの広報担当)は、ホテル経営陣は彼らの行動に感謝するとともに、彼らと連絡を取っていると言った。

 ランパートと同様、ジェームズは自分の行動を控え目に言っている。「私達のしたことは、普通の平均的な人たちだったらするに違いないと感じるようなことさ。我々は良きサマリア人(困っている人に同情して援助する人)か?ヒーローか?私は自分達のことをヒーローなんて呼ばないさ。」と彼は言った。

 

 「アメリカは銃社会である」ということは十分認識してはいたのですが、まさかカジノに向けて銃が乱射されるような事態が起こるとは想像だにしておりませんでした。かつて定宿にしていたNYNYのカジノですから、恐ろしさもひとしおです。

 記事の中二階というのは、MGM-NYNY-エクスカリバーをつなぐフロアのことでしょう。ここからエスカレーターを降りてカジノフロアへと行くわけです。このフロアから銃を乱射されたらたまったものじゃありませんね、そういう状況を頭に思い浮かべるとゾッとします。

 カジノのセキュリティについては、無数の監視カメラやセキュリティガード、ストリップに不審者を入れないという条例などから安全性が高いものとなんとなく思っておりましたが、カワさんの「ラスベガスからお届けするカジノ日記2」の「カジノは安全か?」を読んで愕然としてしまいました。

 カワさん書かれていることによると、基本的にカジノのセキュリティは「犯人を捕まえるためのもの」であって「犯罪を防ぐためのもの」ではない。「カジノで犯罪を犯したら、絶対に逃げ切れない」という神話を作り出すことで、予防的効果を作りだしている。従って、この事件のように、警察官による射殺を望んでいるような者や捕まってもかまわないと思っている者の犯罪に対しては無防備だということになってしまうわけです。

 オーストラリア・メルボルンのクラウンカジノのように、バックパックやショルダーバック携行者は入り口で入場を断られるというシステムもうざったいのです。しかし、ベガスのカジノは無防備だということを全世界に示してしまったこの事件後は、うざったいなんてことも言ってられないと考えている私でした。

 でも、ゲームをしている客側は対応しようがないよなぁ~。 

コメント

鈴木(ラスいこ)でございます。

Las Vegas Review-Journalの記事によりますと。
http://www.lvrj.com/news/8427982.html

犯人ザグレアンの保釈金が火曜日(10日)に147万ドルと決定された。官選弁護人は、「彼は、保釈金を払うことはできないだろう」と陳べた。

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