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2006年01月27日

●ターゲットは中国の新年 Las Vegas Sun から

Las Vegas Sun  Liz Benston記事から

 サイフを開くアジア人に対してカジノは腕を広げる。 チャイニーズ・ニューイヤーは、ラスベガス・ストリップ・ホテルにとって儲かる休日に変わった。

 

 太陰暦犬の年が日曜日に始まるが、 ラスベガスのカジノはアジア人のギャンブラーのサイフから一噛み取り去ることを期待している。 アジア人特に中国人へのへのマーケティングは、カジノ経営者にとって経営入門編である。カジノで働く者は誰でも、 多くの中国人が、赤と数字の8が幸運で緑と数字の4が不運であるということを知っている。

 

 多くのラスベガス・ストリップのカジノは、ロビーとカジノ部分をオレンジの木と赤いランタン、 金貨そして他の中国の幸運のシンボルで飾り付けている。

 シーザーズ・パレスの上級役員は、2月4日に行われる施設の正面で古典的な獅子の目を描く儀式に出席する。 ベネシアンは日曜日にカジノにおいて爆竹と伝統的音楽とともに竜の踊りを主催する。MGMグランドガーデンアリーナでは、 中国の歌手パウラ・ツイが土曜日と日曜日に標準中国語と広東語でパフォーマンスを行う。

 非中国人にとっても、公の飾りつけは重要な異民族への興味をそそり、彼等に対するカラフルな会釈でもある。 ラスベガスのカジノにとっては、ビジネス上従わざるを得ない原則である。

 

 太陰暦の新年としても知られている中国の新年は、 アジアのハイローラーに対する小規模で私的な歓迎から中産階級の中国人とアジア系アメリカ人への主流のイベントへと成長した。
 大晦日についで、2位のスーパーボールと競ってラスベガスにおける年間の最も大きなギャンブリング・ イベントの一つとなったと専門家は言っている。日曜 日に始まり、2週間続く祝祭に先立って、この週末は100% の稼働率になるとホテルは期待している。

 

 賭けに対する中国人の性向は、まだ正確に文書化されている訳ではないが、ラスベガスにおていは、自明の理である。しかしながら、 自らの運を試さなければならないということに縛られている休日である、 中国の新年の間にギャンブルをすることは文化的な本質であると言う人もいる。

 もし、賭けに勝てば1年中幸運がもたらされるという伝統がある。負ければ、 過去1年の間に蓄積される不運を取り除いたということになる。

 「中国の新年は、実際真剣なギャンブルのための期間だ」と経済学者であり、 UNRのギャンブルと商業ゲーミング協会の主任者であるビル・エアディングトンは言った。「本当に運命を試す時である」

 

 ラスベガスは特に中国の新年のビジネスを公開していないが、 その休日はアジア人のハイローラーが最も好むゲームであるバカラテーブルにとって恩恵である。2月のストリップのバカラ・ テーブルでギャンブラーは7億5400万ドル賭けたが、それは1月の4億5300万ドルよりも66%高く、 3月の2億7900万ドルよりも170%高い。昨年の中国の新年は、2月9日に始まった。

 ラスベガスで最も大きなカジノ運営者で、MGMグランド、ベラージオー、ミラージを所有するMGMミラージは、 様々な収入のアジア人を受け入れ、中国の新年におけるアジアの旅行者の着実な増加を確認している。

 イベントは、ベネシアンにおいても毎年ビジネスを押し上げた。ベネシアンは、忠実なアジアの顧客を開拓し、 中国の飛び地であるマカオにカジノを建設すべくマーケティングを行っている。

 「我々にとって、1年で非常に重要な時である」ベネシアンの広報担当ロン・リースは言った。今年は、 200人以上のVIPプレーヤーを迎える。

 MGMミラージの広報担当アラン・フェルドマンは、「増加は、アメリカ合衆国におこるアジア系アメリカ人の増加に関係している」 と言った。「それは国中いたるところで成長し、繁栄するコミュニティである」とフェルドマンは言った。

 米国勢調査局からのデータによると、 アジア系アメリカ人の人口は2000年の3.8パーセントから2004年には約4.3パーセントまで増加した。ラスベガス・ コンベンションと訪問者協会によれば、アジア人とアジア系アメリカ人のラスベガス訪問者は、2003年の4%から2004年には7% に上っている。

 

 アナリストは、アジア系アメリカ人は別にして、 中国--快くお金を使う起業家の相対的に未開発の人口--の中流の顧客の急成長する数が、 ラスベガスカジノのためのいっそうより大きなビジネスチャンスを表していると言う。

 その同じ市場を利用して、マカオのカジノは初年度である今年あるいは来年には、 ラスベガスのストリップのカジノ以上に多くの金をギャンブラーから勝ち取ることを期待されている。

 専門家は、カジノ産業の中で競争を強めることが、すでに、ストリップにおけるチャイニーズ・ ニューイヤーの往来を増大させることの結果として生じていたと言う。

 中国の新年は、全体のビジネスを押し上げる方法として、 特定の顧客層を相手にすることがマーケティングにおいてカジノが生き残る明確な例である。これらの客層には、ヒスパニックやアジア人、 人種ではない、独身者とゲイカップル、などがある。

 「もはや、中国人は、ニューヨークとサンフランシスコのチャイナタウンのみに住んでいるわけではない。」 ラスベガスのカジノコンサルタント、ジエフリー・コンプトンは言った。「彼らは、一般の住民の間に拡散している。彼らは、 家ではすることができないかもしれない方法で、ラスベガスにおいて民族的特性を祝うことができる。」

 中国の新年にまつわる公的なイベントが増加するにもかかわらず、祝日の儀式は、基本的には、 ハイローラーのための私的なパーティを中心とする。

 ストリップのバカラ市場において最も大きいと主張しているウィン・ラスベガスは、公的なイベントを提供しないが、 そのかわりに1,400人を超える人々のために伝統的な龍の舞を含むプライベートなパーティを主催する。 他の主要なカジノもプライベートなイベントを主催するであろう。

 

 「中国の新年は、平均的なラスベガス来訪者には、まだ認識されていない」とコンプトンは言った。将来的には、 変わるかもしれないと何人かの専門家は言う。

 旅行の目的地としてラスベガスは、 大みそかと同等あるいはそれより上の高収益なイベントになる可能性を持っている中国の新年市場でより良い仕事を行うことが出来た。 とジョナサン・グレイビズ(アジア市場が専門のカジノコンサルタント)は言った。


 特別のイベントを後援する以上に、ストリップのカジノは、太陰暦の新年の重要性に気付き、より大きい、 町全体の祝祭としてコーディネートできた。とグレイビズは言った。

 「私は、実際ラスベガスが、グローバルな観光旅行先として、来年のチャイニーズ・ニューイヤーで、 どのように自身をよりよく売るかを学ぶ必要があると本当に思う」と彼は言った。 「地球規模の中国の新年を祝う場所としてラスベガスのマーケティングを統合するLVCA(ラスベガス観光局) のような組織をつくるかもしれない。」

 

 この年末・年始期間の際には、アジア系の観光客の多さには驚きました。 中国のツアーの方々が多いようで、祖父母、親、孫家族3代10人くらいでワンボックスのレンタカーを借りて、 ホテルめぐりをしている方々に何度も遭遇しました。

 中国の経済力がますます大きくなってきていることを痛感しました。どこぞの指導者のように、「アメリカとさえ仲良くしておけば、 問題ない」なんて言っていたら、今後大変なことになるのではないか。なんぞと空恐ろしくなるような気分でした。